全学年
校区の模型を使って自ら進んで    
大地のつくりを推論していく授業の工夫    
兵庫県
くらしに生かした授業の発展としても使える!
(ボーリング資料を活用した授業にも応用)


○児童の実態

 地面の下がどのようになっているか,本やテレビなどから情報を得て,自分なりに考えている子も中にはいるが,ほとんどの子どもたちは考えたことがないだろう。
 授業をする前に子どもに自由に描かせてみると層になって考えている子とそうでない子は,だいたい半々であった。

子どもが考えた土地のつくり

○この教材の良いところ

 校区の大型模型を提示するねらいは,児童たちに自分たちの住んでいる土地のつくりがどのようになっているのかを推論させることである。この教材のよいところは,模型を提示するだけで児童たちが,進んで大地のつくりを推論できることであり,ポイントはボーリング資料を児童にわかりやすく提示することである。また,ボーリング資料のサンプル(地質柱状図)を多く集めるとよりわかりやすい。

○学校のボーリング資料を使って事前にしておくことをおすすめ

 子どもにとっていきなり地質柱状図を使って推論していくことは,初めてなので難しく,学校のボーリング資料を使って,まず,身近な土地のつくりを考えることをおすすめする。

○模型の作り方

 用意するもの
地域の住宅地図
発砲スチロールの板(3pぐらい)なるべく大きいもの
紙粘土(山を作る場合)
絵の具
地域の地質柱状図5〜6所(マンションを建築している会社に連絡すると手に入ります。)

(1) 住宅地図をコピーして校区の地図を作る。(必要に応じて拡大)大きい方がよい。

(2) 校区の地図の大きさに合わせて発砲スチロールを重ね合わせ,土台をつくる。
(6〜7枚ぐらい)

(3) 地図を土台に貼る。


(校区に山がある場合)
(4)住宅地図の等高線ごとに切り取り,型を作って発砲スチロールを切り取る。

(5)等高線順に発泡スチロールを重ね合わせ,その上に紙粘土を盛りつけ,色を塗る。

(6)柱状図のある場所をポイントマークする。

(7)切りたいところを決めて,模型を切り取る。

発泡スチロールを重ねた例

その他(ビルなどの模型をつくると場所のイメージがよくわかる)


○授業の流れ




○良かった点・改善点

模型を作って子どもたちに提示したことは大変良かった。見ただけで何を考えていくかがわかるからである。また,ここは,「自分たちがいつも通っている道の下や」「私の家の近くや」など自分たちが生活している校区と密接に結びつけやすかった。
画用紙に書くときに画用紙に深さを示す目盛りをつけておくと書きやすかったのではないかと思う。また,柱状図の場所と模型の場所を何回も見せておくことで,土地の広がりがもっとつかめやすかったのではないかと思う。資料は,たくさんあると良いが,もっと効果的に提示する必要がある。そのためには,考えやすい場所の資料を集めることが肝心である。

○教科書との位置づけ

 ボーリング資料を使って大地のつくりを推論する場が,教科書にある。その場面の発展として参考にしてもらいたい。
 また,生活化を図る場面としても有効ではないだろうか。

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