私の実践・私の工夫(理科)

5年
夢虫むちゅうに昆虫精密画                
−昆虫の教材化−                     
兵庫県尼崎市立北難波小学校
森川 正樹

1.はじめに

 子どもたちの身近な,小さな小さな友達。その独特に進化したフォルム,生態,種類と余すところなく子どもたちの知的好奇心を刺激する存在,それが『昆虫』である。

 その数は300万種とも1000万種ともいわれ,今なお新種も続々と発見されている地球上で最も多く生息している生き物である。

 野山に入れば,下草から樹上に至るまで,あらゆる所に昆虫は生息している。種類も,花に来る蝶,草むらにいるバッタ類,樹液に集まるカナブン,カブトムシ,水の中にはゲンゴロウ類やカメムシの仲間のタイコウチなど多種多様。

 我々の身のまわりでも,ちょっと目を凝らせば,あらゆる所でその姿を見ることが出来る。町中に,観賞用のパンジーが普及したことにより,ツマグロヒョウモンが増えた。我が校でもその姿を見ることが出来る。また校内には柳の木があり,食草としているコムラサキが飛ぶ。ナミアゲハも町中で見ることが出来る。また,セミやトンボ,コガネムシの仲間も見ることが出来る。

 このような「生きた」教材を活用しない手はない。現に教室に昆虫を持ち込んだり,昆虫採集をしたりする時など,子どもたちは非常に興奮する。

昆虫は子どもたちの知的好奇心をかりたてる

のだ。

 昆虫は発達段階の途中である,

小学生の感性を研ぎ澄ましてくれる存在

と考えるのだ。

 今回,昆虫を用いた実践を,採集,標本作りの段階から紹介したい。

2.昆虫採集

 私は昆虫採集を積極的にすすめたい。よく,「虫を採ったらかわいそうだから見るだけにしましょう」などという話を耳にする事があるが,昆虫は手にとらなければほとんど知ることは出来ない。カマキリに手をはさまれて「痛っ」と思ったときにカマキリを知るのである。手に持ったときに"虫の命が伝わってくる"のである。それを「見るだけにしましょう」などと言うのは避けた方がよいであろう。子どもたちが感性を伸ばす機会を奪ってしまうことになる。

 また,つかまえた昆虫を持って帰りたい,飼ってみたいという子にはどんどん飼育させてやりたい。飼育することはその昆虫をもっと深く知ることになり,探求心,知的好奇心もわき,子どもたち自ら学んでいく。長く生かしたいと考えたり,死んでしまってもそこには様々な学びがある。

 以下に昆虫採集のコツをイラストで表してみた。

【虫別昆虫採集のコツ!!】









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