夏は、日なたに長時間車をとめておくと、車は日光によってあたためられ、
車中の温度が上がってしまいます。
車をできるだけかげがあるところにとめられるように、
これからかげができる場所を考えてみましょう。
かげは、ものが光をさえぎることによってできます。
光はまっすぐ進む性質があるので、かげはいつでも、ものをはさんで光の反対側にできます。
駐車場を見てみると、かげはありません。
かげがない理由は、太陽の位置にあります。
太陽の位置には、次の2つのことが関係しています。
1つは時間です。
太陽は、朝、東の方角の地平線からのぼると、高くなりながら南の空へと移動し、真南で最も高くなります。その後は、だんだん低く
なって、西の方角の地平線へしずみます。
もう1つは、季節です。
太陽は、冬、南の低い位置にありますが、その後、少しずつ高さをあげ、
昼の時間が1年のうちで最も長くなる夏至に、いちばん高くなります。
そして、だんだん低くなり、昼の時間が1年のうちでもっとも短くなる冬至に、
今度はいちばん低くなります。
どうして、季節によって太陽の高さが違うのでしょうか。
地球は1年に1回、太陽のまわりを回っています。このことを「公転」といいます。
地球は少し傾きながら自転していて、傾いたままの状態で公転しています。そのため、日本がある北半球では、夏には太陽の位置が高くなり、冬には太陽の位置が低くなるのです。
問題の季節は夏、時間はお昼ごろなので、図書館へ行ったときには、太陽は南の空の真上に近い位置にあります。
そして、この後、太陽は西の空に移動していくことがわかります。
かげは太陽の反対側にできるので、太陽が西の空にあるときは東側にできます。
夕方に帰るなら、かげができる㋐の位置に車をとめるとよさそうです。
私たちには太陽が地球のまわりをまわっているように見えますが、
実際はそうではありません。
本当にまわっているのは地球のほうで、このことを「自転」といいます。
また、このような太陽の見かけ上の動きを「日周運動」といいます。
さらに、こんな問題も考えてみましょう。
私たちの頭の上には空があり、空のさらに上には、宇宙が広がっています。
では、どこで空は宇宙に変わるのでしょうか。
地球のまわりには、窒素や酸素などでできた空気の層があります。これを大気といいます。
太陽のまわりを回る太陽系の惑星では、水星をのぞく7つの星に大気がありますが、地球の大気とは成分が異なります。
Courtesy NASA/JPL-Caltech.
地球の大気には一定の量の酸素がふくまれているため、私たちは呼吸をし、生きることができます。
その地球の大気は、地表から高さ1000kmにもおよびます。
しかし、大気の4分の3ほどは地上10kmのわずかな範囲に集まっていて、高くなるほど大気はうすくなります。大気が集中するこの範囲のことを対流圏といいます。
対流圏では、雲が発生し、天気の変化が起こります。気象現象が起こるのは、対流圏の中でだけです。
地球を直径1mの玉に例えてみると、地上から10㎞の対流圏の厚さはわずか1mmになります。私たちが見ている空は、地球のほんのわずかな、うすい表面なのです。
1000kmの大気の層は、温度変化によって、いちばん地表に近い対流圏から、成層圏、中間圏、熱圏の4つの層に分けられています。また、4つの層の外側には大気がほとんどない外気圏と呼ばれる層があります。
では、どこまでが空で、どこからが宇宙なのでしょう。
大気は層に分けられていますが、実際には地表からはるか遠くの宇宙空間までつながっているので、空と宇宙の境目はありません。
そこで、一般的には、大気がほとんどなくなる地上100kmから先を宇宙としています。
地球から遠く離れたところにあると思われる人工衛星や宇宙ステーションも、地球の大気圏の中を飛んでいます。
私たちは空を通して宇宙を見ることができますが、それは本当にわずかな部分で、地球の外側には私たちの知らない宇宙が広がっているのです。
エベレスト山(別名チョモランマ)は、ヒマラヤ山脈にある世界でいちばん高い山です。
ネパールとチベットの間にあるヒマラヤ山脈は、
長さ2400kmに達する大山脈です。
地球上の8000mをこえる山のほとんどは、この山脈にあります。
そのエベレスト山で、アンモナイトという貝の化石が発見されました。
化石は、生物の体や、その生活の跡が土砂にうもれ、長い年月がたってかたまったものです。恐竜など、今はいない生物の姿や生活などを知る手がかりになります。また、ある時代、ある場所にしか存在していないと考えられている生物や植物の化石が見つかれば、発見された場所が、その生物や植物が生きていた時代にはどのような環境だったのかがわかります。
アンモナイトは、約2億5000万年前から約6500万年前に存在したと考えられ
ている、海に住む生物です。
そのアンモナイトの化石がエベレスト山で見つかったことは、アンモナイトが生き
ていた時代には、エベレスト山があったあたりは海だったことを意味しています。
では、なぜ、海であった場所が世界一高い山になったのでしょうか。
その答えは、「プレート」にあります。
プレートとは、地球の表面をおおう、厚さ数十~100kmの板状の岩石のことです。
陸や海は地球上をおおうこのプレートの上に乗っています。
十数枚もあるプレートは、それぞれが1年間に数cmの速さでゆっくりと移動しています。
プレートが動くと、上に乗って
いる陸や海もいっしょに動きます。そうして、長い年月の間に陸や海ははなれたり、
すれちがったり、くっついたりして、その形や位置を変化させてきました。
約5000万年前、プレートの移動によって、インド大陸がユーラシア大陸にぶつかりました。
そのとき、ぶつかりあった地層が盛り上がって、ヒマラヤ山脈ができたと考えられています。
インド大陸とユーラシア大陸の間にあった海底の地層がおし上げられたため、
ヒマラヤ山脈の高いところにも海でできた地層があり、
また、海の生物の化石が見つかるのです。
ヒマラヤ山脈は、現在も、年間3mmぐらいのペースで高くなり続けています。