くじ引きでは,先に引くか,後に引くかの順番によって,くじのあたりやすさに違いはありません。
では,なぜそうなるのでしょうか。
確率で理由を考えてみましょう。
確率とは,あることがらの起こりやすさの程度を表した数のことです。
で求めます。
くじの引き方には何通りあるか,そのうちあたりを引く場合がいくつあるかを,樹形図をかいて考え,確率を求めましょう。
(ア)「2本の中にあたりが1本」のくじを2人(Aさん・Bさん)で引く場合
最初にAがくじを引き,後からBが引くとします。
Bの場合は,次のように考えることもできます。
Bがあたりを引くには,Aがはずれを引く必要があるので,
Bがあたりを引く確率=Aがはずれを引く確率=1/2
このように,(ア)の場合は,AとBがあたりを引く確率は同じ1/2になります。
では,くじと人を増やしても,この確率は変わらないのかを確かめましょう。
(イ)「3本の中にあたりが1本」のくじを3人(Aさん・Bさん・Cさん)で引く場合
最初にAがくじを引き,2番目にB,3番目にCが引くとします。
このように,(い)の場合も,A,B,Cがあたりを引く確率はすべて同じ1/3になります。
つまり,くじを引く順番であたりの確率は変わりません。
さらに、こんな問題も考えてみましょう。
美術館,動物園,植物園などの名称も下のように略称にすると,整理がしやすくなります。
駅:美術館:動物園:植物園:
②より,まわり方は全部で6通りだとわかりました。
それぞれのまわり方をしたときの道のりの合計を計算で求めて,いちばん近い行き方を探します。
6通りの道のりを計算した結果,いちばん近い道のりは8.2㎞で,道順は2通りあることがわかりました。
③で図をかいたように,駅からスタートして美術館,動物園,植物園をまわって駅に戻るとき,通る道は4つ,
通らない道は2つです。
通らない道に注目すると,その2つの道のりの合計がいちばん長い場合を探せばよいことがわかります。
(い)の場合がいちばん長いので,この2つの道をさけると,③で計算した結果と同じ道を通ればよいことがわかります。
30%という降水確率予報の意味は,30%という確率予報が100回出たら,そのうちの30回は雨が降るという意味にすぎません。
3割打者の野球選手で考えると,100回の打席のうち30回ヒットを打つことをいいます。
降水確率30%とは,1日のうちの30%の時間だけ雨が降るという「時間の割合」ではないのです。
降水量とは,平らな地面にどれだけ雨がたまったかを深さで表したものです。
降水確率の対象になる雨の量は,1時間に1㎜以上の雨だけです。1㎜に満たない弱い雨は対象外で,雨の強さや雨の降る時間の長さを予報しているわけではありません。
では,1時間に1㎜未満の雨で,傘はいらないのでしょうか。
この程度の雨は「小雨」と分類され,地面が少し湿る程度,レインコートで間に合うとされています。レインコートがないと多少ぬれてしまうかもしれませんが……。
テレビ局では,たいていの場合,
気象庁が発表する3時間単位の天気予報を使っています。
例えば,朝の天気予報は,1日4回,4つの時間帯
(9時から12時,12時から15時,15時から18時,18時から21時)
についての天気を発表しています。
例えば,9時から12時までの3時間の中に1㎜以上の雨の降る確率があると,
ほかの2時間が晴れでも,雨の予報が優先的に表視され,
この時間帯の天気は雨と予報されることになります。