授業実践記録 | |
2次曲線の導入やまとめで利用するいろいろな教材 | |
愛知県立時習館高等学校 木藤 武 |
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1.はじめに
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2次曲線の分野では、軌跡としての図形的な理解が欠かせない。方程式とグラフの単なる対応関係を覚えるだけでなく、図形的な定義からのアプローチを体験させるとともに数学のもつ美しさを実感できる教材を考え、実践している。パソコンのグラフソフトを用いて図形を動かしてみせたり作業を通じて定義の持つ意味を考えさせたりする教材を作成した。 |
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2.Grapesを使った授業展開
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次のような問題について考える。
数学 II の図形と方程式の分野にも出てくる問題であるが、放物線の定義を考える上でわかりやすい問題である。Grapesの画面を黒板やスクリーンに投影して条件を満たす円を動かしてみせ、中心の軌跡が放物線を描くことを提示する。
この問題の発展として楕円や双曲線を描く軌跡の問題を考えることができる。問題を解かせる必要はないが、提示して見せることで、定義に基づいた図形であることを理解させるとよい。
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3.折り紙で放物線
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紙を折って包絡線で放物線を描くことは、色々なところで取り上げられているが、パラボラアンテナの断面について理解させるのに最も有効な方法であると思う。2次関数の分野で、放物線の話題として発展的に取り組ませたこともあるが、生徒は結構納得していた。
この理屈を説明するにもGrapes使って見せるとよい。包絡線は焦点と準線上点を結ぶ線分の垂直2等分線になっているので、準線に垂直に向かった光線は放物線で反射して焦点に集まる様子がよく分かる。
同じような方法で楕円を描くには円形の紙を用意しなければならないので難しい。双曲線はさらに難しいが、いつか取り組んでみたい課題である。 |
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4.2次曲線の定義から描く
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次のようなプリントを用意して、2次曲線を描いてみる。
同心円と平行線、2つの同心円が同じ幅で描いてある。干渉縞(モアレ)として放物線や双曲線が既に見えているので、黙って配ってもおもしろい。 |
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5.離心率から描く
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さらに発展として、離心率を学習したあとで次のようなプリントも利用できる。平行線と同心円の幅が変えてある以外は同じである。
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6.おわりに
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2次曲線に限らず、図形に関する分野ではいろいろな小道具(教材)やコンピュータを用いることで理解が進んだり、深まったりする場面が多い。授業のどのタイミングで使うかを、生徒の興味・関心の度合いや理解度によって変えていけばどんな学校でも利用ができると思う。 |
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7.参考
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・ 関数グラフソフトGRAPES
(http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/grapes/) 起動後「編集」→「環境設定」→「ファイルの関連付け」を行うとよい。 ・ 「のびのび数学 すぐに使える高校の授業集」何森仁著 三省堂(絶版) |