授業実践記録 | |
「面積を求めることを利用した定積分の説明」 について |
|
神奈川県立綾瀬高等学校 室井英彦 |
|
1.はじめに
|
|
定積分の説明において教科書では,次のように説明している。 「関数 f (x) の原始関数の1つを F (x) とすると,F (b) - F (a) は,C に無関係に決まる。この F (b) - F (a) を,f (x) の a から b までの定積分といい, と書く。そして,a をこの定積分の下端,b を上端という。関数 F (x) に対し,F (b) - F (a) を で表す。」 生徒にとって,不定積分が終わった段階では,あまりにも唐突である。確認テスト等をやった時も,難しく定着ができていないことが多かった。そこで,面積を求めることを利用した次の展開をしてみた。 |
|
2.展開
|
|
S (a) は,a の関数であることを慣例で,S (a) をS (x) で書くことを説明する。
次に
ここで, を x で微分すると, より,S は, を積分することで求まる。x = a から x = b までの面積 S は, S = S (b) - S (a) これを,上端 b,下端 a を書き入れて, と書き, の a から b までの定積分という。
次に定積分の計算を練習させ,面積の問題を説明する。 |
|
3.おわりに
|
|
いきなり,「関数 f (x) の原始関数 F (x) の1つにおいて,x = a から x = b までの値の変化 F (b) - F (a) について考えてみよう。」といわれても,あまりピンと来ないのではないか。面積を求める説明の中に,もちろん も必要である。 しかし,特に「数学 II 」だけで高校の数学を終わる生徒にとっては,具体的な面積を求める説明を利用した定積分の説明の方が,わかりやすいのではないか。 |