授業実践記録 | |
大学入試問題から基礎・基本の指導、 応用・発展の指導を図る工夫 |
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宮崎県立宮崎南高等学校 押方 修 |
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1.はじめに
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「教師の資質低下」「学力低下」「理系離れ」が3点セットのように言われているが、ここでは「教師の資質」の一部である「教科指導力」について考えたいと思う。 |
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2.入試問題をひもとく!
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問題1および以下にあげる問題2はいずれも入試問題であるが、誘導設問を省いて記載している。解法を通して、授業展開につながる内容をまとめてみたい。
■指導のポイント
●数学 I での解法〜その2
■指導のポイント
●数学 III での解法〜その1
■指導のポイント
という解法も考えられる。しかし微分の練習にはなることはあっても、勧められる解法とはいえない。
数学 III の既習済みであれば、すぐ微分、増減、最小値という解法になろうが、以下の誘導設問があれば、解法も変化してくる。
入試問題も誘導設問があるとないとでは、難易度が大きく変化する。ある程度演習をつんだあとから、誘導問題をはずした問題を作成し、その問題で解答づくりができるようになると数学の力はより深まる。
私は、よく問題の言い回しを変えたり、問いかけを変えたりしながら問題を読むことが多い。変化していく問題の問いかけに、解法自体はあまり変化しないことに興味をそそられている生徒も少なくない。 |
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3.おわりに
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「教科力」の中には、入試問題を解法する力も必要である。しかし、授業では入試を意識した内容を、どの段階で、どのように指導するかが鍵となる。それが「指導力」である。バランスの良い授業を展開したいと思う。
入試問題を基礎・基本まで細分化するのもおもしろい。また発展・応用まで変化させるのもおもしろい。そして生徒が数学をおもしろいと思うようになることがおもしろい。 |