化学授業実践記録 |
|
自作実験映像を用いた授業の設計 Part1. 〜§酸・塩基とは何か 酸・塩基の反応[1]〜 |
|
さいたま市立大宮北高等学校 竹野徹美 |
|
1.はじめに
|
|
物質のサイエンスである化学の学習において,物質そのものを見たり、触れることのできる実験の重要性はいまさらいうまでも無いことである。しかし,生徒実験を数多く行えば行うほど、予算がかかり,授業の進度は遅くなり、準備などで教員や実習助手の負担が増大する。
そこで,生徒実験や物質回覧と組み合わせれば,実験映像を多様に準備することで,理解しやすい効果的な授業にすることができる。 そして,そのことを具体的示すために,§酸・塩基とは何か という授業のコースアウトラインを紹介する。 |
|
2.映像化の方法とメディアの選択
|
|
|
|
3.授業設計の実例 「酸・塩基とは何か」
|
|
高校で学ぶ化学の中でも,教材としての実験が豊富な分野であるにもかかわらず,実験という形で物質を見せるのは,中和適定だけになりがちな分野でもある。ここでは,以下の点を重要な目標行動として授業設計を行った。
以下に,生徒用プリント「プリント黒板」の概要を示す。なお,定義などは項目だけで内容は省略している。同様にQ) の解答なども同様である。また,実験映像は,映像の中からいくつか静止画で示した。 ◆1.酸とは何か Part1.
◆2.酢酸の電離 ◎酸性の原因物質
◆3.酸とは何か Part2.
◆4.塩基とは何か Part1.
◆5.アンモニアの電離と塩化水素(塩酸)の電離の比較
◆6.ブレンステッドの酸・塩基の定義の存在意義
|
|
4.映像教材の今後の展望
|
|
映像には,においや臨場感はないので,全ての実験を映像に置き換えることはできない。しかし,予算や手間をかけずに,欠席者や復習を望む生徒に,繰り返し実験映像を見せることができる…といったような利点も多い。将来的には,ハードディスクに映像とプリント黒板を一体化した情報を入れたコンピュータを使って,生徒が自主学習できる体制などを校内に整えていくことが望まれる。
最後に,撮影編集にあたり尽力してくれた大宮北高校実習助手・小林健一氏に,深く感謝の意を示したい。 参考文献 |