化学授業実践記録 |
|
イメージ作りを重視した化学 II の授業実践 |
|
新潟県立新潟高等学校 大平和之 |
|
はじめに
|
|
「化学 II 理論分野の内容は公式を覚えただけでは難関校の問題は解けない。演習問題を繰り返し解くことで『問題上でどんなことが起こっているのか』をイメージできるようになって,ようやく光が見えてきた」 平成18年3月に卒業した生徒が語った内容である。彼は本校でも屈指の実力を持つ生徒であり,努力家でもあったが,その彼でも「問題で何が起こっているのかイメージがわかない」と最初は感じていたのである。同様の壁に当たっている生徒は多いと考えられる。そこで私は今回,金属の結晶格子,気体の状態方程式で『イメージがわく授業』を検討した。 |
|
1.金属結晶の単位格子
|
|
最密構造を理解させるために以下のモデルを準備した。
まず4×5=20本の缶を段ボール箱に詰めておく。ほぼ隙間なく入る。
生徒1名を教卓に呼び,実験させる。遅い生徒でも1分,はやい生徒は缶を持ってすぐに「最密構造」を作った。
次に16×3=48個の発泡スチロール球をアクリル箱に詰めておく。
先ほどとは別の生徒に充填作業をさせている間に,以下の説明を行う。
多くの生徒が,見た目から「体心立方格子」と答えるのだが,正解は「面心立方格子」。切り口を変えると見えてくる。「立体的見方は一つでない」ことの面白さ,また自分で簡単に最密構造を作れた驚き、そして最密構造のイメージを実感できたと思われる。
(余談だが,この球50個のモデルを使うと,「4配位隙間」や「6配位隙間」の説明もできる。) |
|
2.気体の状態方程式
p, v, n, T のイメージ作り |
|
本校では2学年の物理 I でボイル・シャルルの法則は学習済み。そこで3学年化学 II ではまず気体のイメージから状態方程式を作り,ボイル・シャルルの法則に戻ることにする。
これを簡単な演習問題で再確認してから,以下の気体モデルに入る。 実験 アクリル箱の中にBB弾を200個入れる。この箱を振ると音が鳴る。
(一定の場合) |
|
3.授業アンケートの結果
|
|
以上3つの「イメージ作り」について,授業後にアンケートをとった。
<集計結果>
<生徒の意見>
<考察> 参考文献 |