JICA研修を受託した広島大学より依頼を受け,「授業研究による教育の質的向上」というテーマで,バングラデシュ初等大衆教育省,カンボジア教育青少年スポーツ省,ラオス教育省,ミャンマー教育省,モンゴル国立大学の先生方を対象に研修を実施しました。
まずはじめに,弊社の事業内容を紹介させていただき,その後,算数・数学における学年間の系統性についてお話しいたしました。「計算のきまり」「拡大と縮小」を例に各領域の系統性を説明し,自国の例をもとに課題について研修員の皆さんとディスカッションしました。
また,研修員が指導案を作成する「長さ」の指導については,教科書紙面を提示しながら具体的な思考のステップを説明いたしました。
次に,理科における学年間の系統性についてお話をしました。「電気や磁石の性質」「月の動き」の例では,子どもたちにとって抽象的な概念を教えることの難しさが各国共通の課題であることがわかりました。
理科で指導案を作成する「消化と吸収」の指導においては,子どもたちの推論を導きやすい発問例などを取り上げながら説明いたしました。
最後は教科間のつながりです。特に,学級担任制である日本の小学校ではカリキュラム・マネジメントがこれからも求められていくこと,その具体例として弊社教科書における各学年の例についてお話ししました。
研修員の方からは休憩中も沢山の質問をいただきました。「教科書制作の流れ」「編集委員会の構成」「学習指導要領と検定」「著作権とコピーの扱い」などは特に関心のあることのようです。
今回の研修がアジア各国の算数・理科教育の発展に役立つことができれば幸いです。「理数は世界共通語である」との考えのもと,啓林館はこれからもJICA教育支援の取り組みをサポートして参ります。
2017年9月