JICA中国センターからの依頼を受け,アジア4か国の先生方を対象とした研修を行いました。今回の参加者は,カンボジア,ラオス,ミャンマー,バングラデシュの教育大学・教員養成大学・教育研究所・教員訓練校の先生方や教育行政官,小学校校長先生など12名です。今回の研修テーマは,「学年を越えた理数科のつながり」と「理数科目を越えたつながり」です。また,9月中旬に広島県内の小学校で実際に算数や理科の授業をされるとのことで,授業を行うにあたってのポイントや指導案作成のポイントについてもお話しました。
まず,学習指導要領の概要と学習指導要領からどのように教科書を制作しているのかについてお話しました。学習指導要領にかかれている文章から,各学年200ページを超える教科書が制作されていることに,皆さん非常に驚かれていました。
次に,算数・数学や理科における学年間の系統性についてお話しました。算数・数学では,いくつかの項目を例にあげ,既習事項が上位学年でどのように教科書で扱われているのかを,「算数教科書英訳本」や「数学教科書英訳本」で実際に見ていただきました。それぞれの国では,日本の教科書のように,ここまで系統性を意識した教科書にはなっていないとのことでした。子どもたちに学習内容を定着させていくには,日本の教科書にある系統性がとても大切であることを感じてもらうことができました。
理科でも算数・数学と同様のお話をさせていただきました。また,9月中旬に広島県の小学校で授業される単元に関する説明では,「単元導入はどのようにするのか」,「1時間の授業で教科書を何ページすすめばよいのか」等,研修員の皆さんから,かなり具体的な質問がたくさんでました。さらに,授業をされる単元に関する実験も行いました。研修員の方にも実際に体験してもらい大いに盛り上がりました。
算数・数学や理科の説明の最後では,教師用指導書の構成や制作についてお話させていただきました。教師用指導書は,1冊の教科書に対して数冊も冊子があることに驚かれていました。中でも,朱註編については,「教員経験が短い人にとって授業をするためになくてはならないものですね」との感想がありました。
最後に,算数・数学と理科の教科をこえたつながりについてお話をさせていただきました。各教科の学年間のつながりを意識して教科書を制作するだけでなく,教科をこえてまでもつながりを意識した教科書が制作されていることに,学年間における系統性同様,日本の教科書のよさを感じてもらうことができました。
今回の研修を通して,各国の教育課題等を知ることができ,とても勉強になりました。我々がお伝えした内容が,各国での教育課題の解決に少しでも役立てればと思っております。「理数は世界共通語である」という考えのもと,啓林館はこれからもJICA教育支援の取り組みをサポートして参ります。
後日,とてもうれしいお便りをいただきました。
Expression of feelings about the sessions of Textbooks Development of Japan by KEIRINKAN Company
On behalf of the group of participants in the course of “Improvement of Quality Education through lesson Study” I am writing to this letter to tell you (the lectures from KEIRINKAN publisher company) how much you impressed to us through your enjoyable, interesting and exciting presentation. We are really impressed for attending your sessions and we have learnt a lot about the textbook development procedures of Japan. I think you are not teachers or trainers but in order to make clear everything to us, your preparation, arrangement and presentation style were really remarkable.
I would like say, you make us very clear about the textbooks development procedures of Japan with power point presentation, explanation and examples. We have learnt clearly about-
- How to make content-link in different classes of elementary and junior secondary schools’ textbooks of Japan.
- How to make link content grateful and real-life environment in the textbooks.
- How to select writer for writing textbooks.
We enjoyed your sessions, and we have gained new ideas and experience from your sessions. During your presentation We were also thinking and comparing our textbooks development systems. We are really grateful to you (all the presenters of KEIRINKAN Publishing Company)
2016年9月