JICA国別研修の依頼を受け,「セネガル国初等教育算数能力向上に資する日本の取り組みを学ぶ」というテーマで,セネガル国教育省初等教育担当官,各州教育事務所視学官の10名を対象として研修を実施しました。
研修をはじめる前に弊社の沿革をお話させていただき,その後,編集部より「算数教科書」「教師用指導書」の作成について約1時間程度お話をさせていただきました。
はじめに,日本の教科書の特徴をわかっていただくため,セネガル国の教科書紙面と比較しながらお話をしました。研修員の方からは「日本の教科書と比べ,セネガル国の教科書は文字量が多い」や「日本の教科書には子どもたちが算数を好きになる工夫がある」との感想がありました。
次に,教科書作成の流れや教科書検定制度についてお話をしました。1~6年生の系統表や単元構成表をもとにして,どのように教科書を作成していったかを教科書紙面を示しながらお話しました。児童にとってわかりやすいだけでなく,教師にとっても使いやすくしている点については興味を持っていただきました。
最後に教師用指導書の作成についてお話しました。セネガル国の教師用指導書とは異なり,教師をサポートするものが色々準備されていることに関心を持たれていました。
説明の後には,「算数的活動」を体験してもらうため,3年生下巻の巻末にある切り取り教具「てんびん」を実際に作ってもらいました。皆さん悪戦苦闘しながらも無事に完成することができました。
「算数的活動」を体験してもらった後には,「算数の授業の中で,子どもたちにこういった活動を体験させることはとても大事である」との感想がありました。
短い時間ではありましたが,説明後にたくさんのご質問や感想をいただき,また,セネガル国の教科書や教師用指導書,教育事情についても知ることができ,大変貴重な機会となりました。
今回の研修がセネガル国の算数教育の発展に役立つことができれば幸いです。「理数は世界共通語である」との考えのもと,啓林館はこれからもJICA教育支援の取り組みをサポートして参ります。
2016年6月