JICA国別研修に係る企業見学の依頼を受け,エルサルバドル共和国の教育・大学省から15名の先生をお迎えしました。歓迎のしるしとして,スペイン語の挨拶でお出迎えし,エルサルバドルの国旗をデザインした扇子などをプレゼントいたしました!
今回は日本の理科教育の現状を学ぶために来日されているということで,理数系に特化した教科書会社である弊社が,小学校理科の教科書づくりについて研修をさせていただきました。
まず,教科書作成の流れと教科書の構成についてご説明いたしました。特に,著者の先生方にとても興味深いご様子でした。現場で働く先生が教科書を執筆されることが新鮮であったようで,「何人の先生が関わっているのか?」「どのような専門分野の先生がいるのか?」「著者に必要なスキルは?」などご質問いただきました。また,授業展開や観察実験の方法,参考資料など全単元に渡って深く掘りさげられた内容の日本の指導書に大変驚かれていました。
次に,新しい教材や実験観察の方法をどのように取り入れているかをお話しました。例として,小学校理科の教科書に掲載されている幼虫をお見せしました。この虫は,地球温暖化の影響で生息域が北上していることで話題になっています。このように時代の流れに応じた題材を盛り込みながら,教科書を改訂していることをご説明しました。
実験観察の方法は,先生方が実践されているものや教材会社から販売されているものを取り入れています。その中からいくつか実際に体験していただきました。
鉛筆の上に折り紙を乗せるとくるくるまわります!
手の熱が空気に伝わり,熱い空気が上昇するためです。
棒を中に押し込んでいくと,カメの形をしたスポンジが縮みます!
空気が圧縮される様子を目で確認できます。
手回し発電機を体験中!
省エネが話題になる中,環境に配慮した題材として紹介しました。
今回,私たちが講師役として日本の教科書についてお伝えした内容が,これからのエルサルバドルの教育にとってお役に立てば嬉しく思います。また,海外の皆様の視点を通して,私たちも日本の教育を改めて見直す機会にもなりました。「理数は世界共通語である」という考えのもと,啓林館はこれからもJICA教育支援の取り組みをサポートして参りたいと思います。
後日,とても嬉しいお便りが届きました。
2015年5月