- 「養分」と「栄養分」の用語はどのように定義されているのですか?
- 「養分」については,小学校理科では『小学校学習指導要領解説 理科編(平成20年8月)』に次のような表記があります。
・理科5年−B−(1)
ア 植物は,種子の中の養分を基にして発芽すること。
ウ 植物の成長には,日光や肥料などが関係していること。
・理科6年−A−(1)
ウ 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素などを運んでいること。
それに対して,中学校理科では,『中学校学習指導要領解説 理科編(平成20年9月)』に「養分」の表記はなく,「光合成によって生じた有機物は師管を通って他の部位に運ばれる」と,「食物が物理的及び化学的に消化され,栄養分が吸収される仕組みを理解させる。」との記載があるのみです。
これらを受けて,平成28年度用教科書の中では次のように説明(定義)しています。
・中学校理科教科書本冊−1年 p.26
小学校では,葉でつくられたデンプンを養分とよんでいた。この教科書では,葉でつくられたデンプンを栄養分,根から水とともにとり入れられる肥料分を養分としている。
また,「肥料」という用語は,デンプンなどとの区別はわかりやすいですが,「人が作物に与えるもの」という印象から,自然の植物全般に使うのは避けたほうがよいという意見もあります。よって,平成28年度用教科書では「養分」と「栄養分」という用語を使用しております。ただし,「養分」,「栄養分」などの言葉は,分野や文献によっていろいろな使い方をされていますのでご留意ください。