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1 教職員アンケートの結果から |
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(1)教師は朝読書の必要性を認めている |
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ほぼ全員の教職員が,読書の必要性を認めている。認識はしていても具現化できないのが学校である。生きる力の育成に向けて,学校経営の中で読書の充実に向けて,校長としてどのような手だてをとっていくかが課題である。 |
90%以上が朝読書の必要性を考えている。これだけの教職員が積極的にかかわれば,私たちの研究も前進すると考えられる。14年度「必要ない」の回答は2名に減った。「その他」は8%に増えたが,消極的意見ではなく,非常に必要であるとの意見を記述したものがほとんどであった。言い換えれば97%の教職員が,朝読書の必要性を認めていることになる。 |
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(2)教師は朝読書の有用性を認めている |
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「特に変化ない」の回答は2カ年とも2%(4名)であった。これは上の設問で「必要ない」の回答率に相当する。それよりも,98%の教職員が何らかの効果が現れている,ととらえていることがわかる。特に,複数回答で選んだ項目数に着目すると,13年は276項目で1人当たり1.3項目,14年は1人当たり2.5項目と昨年の倍近くに達している。このことは,1年間の実践によりこれだけの効果を見いだしたということである。私たち校長がリーダーシップをとって実施した「朝の読書」が,教職員の目に見える形で効果を現してきたということが言える。 |
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2 児童アンケートの結果から |
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(1)子どもは読書が好き |
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「すき」が1年間の実践で4ポイント増加した。「きらい」は変化なしである。少しずつでも「すき」をふやしていくことが重要である。 |
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読書が好きな理由は多岐に渡っている。14年度のベスト3は「楽しいから」「知らないことがわかるから」「想像できるから」である。13年度に比べて14年度のポイントが下がっているのは,たくさんの項目を選択するようになったからと考えられる。また,1人あたりの選択項目数が13年度が1.4項目に対して14年度は2.1項目であることは,読書に対する興味関心が広がってきたことを意味するものと考えられる。12ポイントいることは,読書が子どもの想像力を伸ばすために有用なこと示す数値であると考えられる。 |
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 3ポイントではあるが「ほとんど毎日読書している」が増加している。「読んでいない」がその分減っている。息の長い取り組みとなるが,読書に親しみ読書が習慣化されるよう取り組みたい。 |
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(2)子どもも朝読書の必要性を感じている |
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昨年度と比較して「大切」が11ポイント増加し,「大切でない」「わからない」がともに減少している。 |
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朝の読書の体験を通して,読書の必要性を感じ取ってきた児童が,増えてきたことを物語っている。この11ポイントは綾瀬市の児童数約500名を意味する。 「ある方がよい」が21ポイント(綾瀬市の約950名の児童)に激増し,「ない方がよい」「わからない」「その他」が半減していることに大きな意味がある。朝読書(読書)に興味を向けなかった児童も,積み重ねによってその良さやおもしろさを実感してきたととらえる。「わからない」が激減していることからもそのことが言える。この数字は児童ばかりでなく,保護者の理解もかなり進んでいることを意味すると考える。いずれにしても食わず嫌いでなく,多様な体験が児童には必要なことを示しているととらえることができる。 |
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「時間を長くしてほしい」ということは,朝読書や読書に対する興味関心が高まってきていることを表していることを示している。さらに,1人あたりの選択項目数も13年度は2.0項目であったが,14年度は2.7項目に増えていることは,それだけ朝読書を積極的に受け止めようとしている表れと考えられる。 |
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3 保護者アンケートの結果から |
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平成14年3月,小学校長会では全校の学級担任の協力を得て,市内全約3,200家庭にアンケート調査を依頼した。標本数は2,201人であった。回収率では80%を超えた学校が2校あるなど全体で約70%ということに,朝読書に対しての関心あるいは学校教育に対しての保護者の期待の大きさを感じた。 |
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「保護者も子どもの読書を大切と考えている」
「とても大切」「大切」を合わせると,ほぼ100%の保護者が読書に対して前向きな姿勢を示している。このことは学校に対する保護者の願いの表れでもあるといえよう。保護者の願いに応えることは学校の使命でもあり,校長のリーダーシップを発揮して,読書を核にしながら教職員への指導と外部へのPRを行い,学校経営の充実を図りたい。 |
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この回答は,保護者が我が子に託す願いと受け止められる。集約すると 知識 考える力 読み書き能力 洞察力 落ち着きの順であるが,その他の記述の中には,「読書は楽しい」「心豊かになる」「思いやりが育つ」「想像力豊か」「書物から学べる・教えられる」「視野が広がる」「感受性が豊かになる」など,人として育つための基礎基本が表現されている。このことからも学校は,保護者の信頼に応えるためにも,次代を生き抜くことができる子どもの育成を実現することが重要な課題である。 |
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保護者の読書に寄せる期待が大きいことはわかったが,実際に親子で読書の時間を定期的に確保している家庭は少ない。しかし,その他の記述の中には「毎晩読んでいる」「親が熱心に読んでいると子どもも一緒に読む」「子どもの前で読むように心がけている」「家族みんなで集まる形で読む」など,積極的に関わりを持っている家庭もある。また,「これからは子どもと一緒に読むことに意味があるので,できるだけ実践しようと思います」との意見もかなりあった。親子読書は,今問題視されている家庭の教育力の向上や,親子の会話の充実,親子の意思疎通などに効果がある。PTAなどに働きかけて,この親子読書が充実することにより,学校教育の一層の充実が図られると考えている。 |
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朝読書を前向きに捉えている保護者は,96%に及んだ。読書に寄せる願いと,それを具現化するための学校への願いの高さを感じさせる。このことの実現は,学校の信頼を高めることにも,学校と保護者とのつながりを深めることにも役立っていくと考える。その他の記述の中には,「朝読も必要だが,読み聞かせもしてほしい」「活字離れが多い中,続けてほしい」「毎朝続けてほしい」などの意見も寄せられている。 |
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問12の「朝読書についての自由記述」には818人の保護者から回答を得ることができた。標本数2,201人の37.2%に及んだ。このうち,朝読書を評価していただき「よい機会・効果がある・続けて・増やして」などの記述が44%,効果が出ている「読書好きになった・読書量が増えた」などが29%,意見として「市立図書館の充実・本の紹介をしてほしい・読み聞かせも大いに・子どもへの願い」などが26%で,朝読書に対する批判は1%であった。この自由記述の内容は,研究への勇気と大きな示唆を与えてくれた。 |