りゅう座はプトレマイオスによって設定されました。ほぼ一年中北の空に見えていて地平線下に沈むことはない星座です。 りゅう座に関しては諸説ありますが、その一つに、世界の西の果てヘスペリデスの三姉妹の園で、黄金のりんごの木を守っていた火を吹く竜だったというものがあります。 伝承によると、竜がうっかり居眠りしたすきにりんごは取られてしまうのですが、長くりんごの木の番をしたご褒美で星座にしてもらえたといわれています。 【物語の出典】 全天星座百科　新版，(株)河出書房新社（2011年2月） はじめての星座案内，(株)誠文堂新光社（2001年7月） 星座天体観察図鑑，成美堂出版（2002年）

いて座はプトレマイオスによって設定されました。88星座の1つで、黄道十二星座の1つでもあります。上半身が人間で下半身が馬というケンタウロスをイメージした星座です。 伝承によるといて座のモチーフになっているケンタウロスは、ケイローンというギリシア神話の英雄たちに教育をほどこした賢人だといわれています。乱暴者揃いのケンタウロス族の仲間とは少し異なっていたケイローンは、父クロノスとニンフの母フィリラとの間に生まれました。 しかし、クロノスが馬の姿でフィリラに会いに行ったため、上半身が人間で下半身が馬の形で生まれたといわれています。 【物語の出典】 全天星座百科　新版，(株)河出書房新社（2011年2月） はじめての星座案内，(株)誠文堂新光社（2001年7月） 星座天体観察図鑑，成美堂出版（2002年）

こと座はプトレマイオスによって設定されました。面積は286平方度で肉眼星数は70個。プトレマイオス48星座の一つです。明るい一等星ヴェガが夏の間天頂付近にずっと輝くのですぐ見つけられます。 「転身物語」や「カタステリスモイ」などの伝承よると、こと座の神話は以下のように書かれています。 伝令の神ヘルメスは生まれてすぐ、太陽神アポロンの牛を群れごと盗みます。その牛の群れから2匹を食べて、残りを隠していたところ、ウミガメがやってきたのでその甲羅で竪琴を創りました。そこで牛を取り返しにきた音楽の神でもあるアポロンと口論になり、ヘルメスは琴を弾いてみて、事を譲るから許してほしいと頼みます。琴の音色が聞いたことが無いほど美しかったのでアポロンは承諾しました。 これを機にヘルメスとアポロンは仲良くなり、アポロンはヘルメスに「伝令杖カデュケウス」を贈ります。この七弦の琴は、後にムーサのカリオペの息子で音楽家のオルフェウスに贈られます。オルフェウスの死後、琴は天にあげられ星座になったといわれています。 【物語の出典】 星の文化史事典、株式会社白水社（2019年12月） 全天星座百科、河出書房新社（2011年2月）

かんむり座はプトレマイオスによって設定された48星座の一つです。面積は179平方度で肉眼星数は35個。 二等星がひとつあるだけで明るい星座ではありませんが、目につきやすい特徴があります。 オウィディウスの「転身物語」の伝承よると、テセウスに去られ悲しんでいたクレタ王女アリアドネを酒の神ディオニュソスが慰め、彼女の冠を空に投げ上げたされています。 またヒュギヌスの「天文詩」では、かんむりはアリアドネと地元の豊穣神リーベルとの婚礼の際に空に置かれたとされています。 【物語の出典】 星の文化史事典、株式会社白水社（2019年12月） 全天星座百科、河出書房新社（2011年2月）

わし座はプトレマイオスによって設定されました。面積は652平方度で肉眼星数は116個。 プトレマイオス48星座のひとつで、メソポタミアでもわし座として知られています。 トロイアのガニメーデス少年をさらうために鷲に変身した大神ゼウスの姿だという説があります。また、ゼウスは幼少期に何度か鷲に運ばれており、鷲はゼウスの象徴ともされています。わし座の星座絵には少年が描かれていますが、もともとはアンティノウス座という別の星座でした。2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスの恋人だったアンティノウス少年が溺死してしまったため、皇帝が星座にしたと言われています。 【物語の出典】 星の文化史事典、株式会社白水社（2019年12月） 全天星座百科、河出書房新社（2011年2月）

さそり座はプトレマイオスによって設定されました。 真冬のオリオン座とともに最も形の整った美しい星座として人気が高い星座です。 諸説ありますが伝承として、いばりくさっていたオリオンにお仕置きするため女神ヘラがさそりを放つ。 するとさそりがオリオンの足を指し、オリオンはあっけなく死んでしまいます。 その功績をたたえられて、さそりは星座になったそうです。 オリオン座とさそり座は同時に見ることができないため オリオンはさそりから逃げるためにさそり座の見えない時期に星座としてのぼっていると伝えられています。