-
やぎ座
やぎ座はプトレマイオスによって設定されました。面積は414平方度で肉眼星数は79個。 プトレマイオスの48星座の一つであり、黄道十二星座の一つでもあります。 メソポタミアではスフル・マシュと呼ばれていました。スフルはシュメール語で巨大な鯉、マシュは牡山羊という意味で、上半身が山羊、下半身が魚のエアという神の姿が描かれています。エアはバビロニアでは主神マルドゥクの父で水と知恵の神。ギリシアには山羊魚の形のまま伝わり、アエゴケロスと呼ばれていました。それが次第に山羊の姿の牧神パンと同じものとされるようになりました。パンはヘルメスの子、またはゼウスの子とされ、上半身が人間で下半身は山羊、そして山羊の角を持っています。 昔、神々がエジプトに集まっていた際に怪物テュポンが襲ってきました。神々は驚いてさまざまな姿に変身。その中で、パンは川に飛び込み水面から上は山羊、水面から下は魚になり逃げました。その姿があまりに滑稽だったのでゼウスが星座に加えたといわれています。 【物語の出典】 星の文化史事典、株式会社白水社(2019年12月) 全天星座百科、河出書房新社(2011年2月)
-
カシオぺヤ座
カシオペヤ座はプトレマイオスによって設定されました。日本では秋の日暮れ頃、北の空に見えます。カシオペヤ妃が椅子に縛り付けられている様子をイメージした星座です。 エチオピア王家が王ケフェウスと王妃カシオペヤによって統治されていたころ、とても美しく自尊心の強かったカシオペヤが、「私の美しさには海の神の娘たちもかなわない」と発言しました。 それを聞いた海の神ポセイドンは怒り心頭し、海に住む大クジラをエチオピアに向かわせ津波を起こさせました。この惨事を収めるため、カシオペヤとケフェウスは信託に従って娘のアンドロメダをいけにえに捧げます。 【物語の出典】 全天星座百科 新版,(株)河出書房新社(2011年2月) はじめての星座案内,(株)誠文堂新光社(2001年7月) 星座天体観察図鑑,成美堂出版(2002年)
日本から見た秋の星座
秋は明るい星を持つ星座が少ない季節ですが、カシオペヤ、アンドロメダ、ペガサスなどギリシャ神話に登場する古代エチオピア王家に関係する星座が多く見られ、壮大な物語が見る人を楽しませてくれる季節です。