本学級の児童は,これまでの生活経験を通して,凧揚げ等冬ならではの遊びを楽しんできた。また,冬の寒い日も,外でおにごっこやドッジボール等体を動かして遊ぶことが好きな児童が多い。しかし,これまでの季節と比べて,外に出るよりも温かい室内で過ごすことが好きな児童も多くいる。
そこで,これまで冬の遊びをしてきた経験や,前単元「あきをたのしもう」でおもちゃを工夫して作ったり遊んだりした経験を活かし,風の面白さや不思議さに気付いたり,季節の変化や冬のよさを味わうことができるようになったりしてほしいという願いをこめ,この単元を設定した。
(1)単元名「 ふゆとなかよし 」
(2)単元目標
身近な自然を観察したり,冬の遊びを楽しんだりする活動を通して,冬の季節の特徴やそれらを利用した遊びの面白さに気付くとともに,それぞれの季節の良さや繋がりについて考え,自分の生活を楽しくすることができるようにする。
(3)本単元における評価規準
| 知識・技能 | 思考・判断・表現 | 主体的に学習に取り組む態度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 単元の 評価規準 |
冬の自然の変化や不思議さ,面白さを感じるとともに,季節によって生活や遊びが変わることに気付いている。 | 冬の特徴や生活の変化について,自分なりに考えたり,振り返ったりして,それを素直に表現している。 | 季節の変化に関心をもち,それらを取り入れて遊びを工夫したり,自分の生活を楽しくしようとしたりしている。 | |
| 小単元における評価規準 | ふゆはどんな きせつかな① |
その季節の特徴に気付くとともに,冬の楽しみ方や生活の知恵について気付いている。 | 自分の生活経験に基づいて冬の季節について考え,今後の活動に見通しをもっている。 | 冬の季節に関心をもち,生活の中で気付いた冬について,進んで話そうとしている。 |
| ふゆの校てい に出てみよう② |
冬の植物や生き物,校庭の変化の様子,風や影の変化に気付いている。 | 式の特徴を感じたり,確かめたりしながら,身近な自然を楽しんでいる。 | 四季の変化や季節の特徴に関心をもち,思いや願いをもって身近な自然と関わる活動を楽しもうとしている。 | |
| ふゆのあそびを くふうしよう⑤ 【具体的事例】 |
季節に応じた遊び(風・影・氷・雪などを利用した遊び)があること,また,その楽しみ方に気付いている。 | 風・影・氷・雪など冬の自然を生かして,遊びを考えたり,工夫したりしている。 | 冬の自然の変化や特徴に応じながら,冬の自然を利用した遊びや活動を友達と一緒に楽しもうとしている。 | |
| あそんだふゆを しょうかいしよう② |
冬の季節の特徴や良さに気付くとともに,式の変化や季節の移り変わりと自分の生活とのかかわりに気付いている。 | 自分が一番伝えたいことは何かを考え,そのために有効な発表方法を選び,相手に分かりやすく伝えている。 | 遊んだ冬について自分なりの方法で進んで伝えようとするとともに,これからも四季の特徴を生かして自分の生活を楽しくしようとしている。 | |
(4)小学校学習指導要領との関連
【第3章 生活科の内容 第2節 生活科の内容】
(6) 身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりするなどして遊ぶ活動を通して,遊びや遊びに使うものを工夫してつくることができ,その面白さや自然の不思議さに気付くとともに,みんなと楽しみながら遊びを創り出そうとする。
本単元は,「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説生活編」に定められる内容をもとに設定した。
(1)小単元における学習計画
| 小単元名 | 学習活動 |
|---|---|
| ふゆは どんな きせつかな (1時間) |
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| ふゆの 校ていに 出てみよう (2時間) |
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| ふゆの あそびを くふうしよう (6時間) 【具体的事例】 |
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| あそんだ ふゆを しょうかいしよう (2時間) |
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(2)指導の実際
小単元「ふゆの あそびを くふうしよう」の学習計画
| 活動 | 内容 |
|---|---|
| 冬見つけの中で風を生かした遊びをする(1時間) |
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| おもちゃづくり 作ったおもちゃで遊ぶ(2時間) |
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| おもちゃづくり 作ったおもちゃで遊ぶ(2時間) |
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| ふりかえり(1時間) |
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【小単元2「ふゆの校ていに出てみよう」】
| 【学習展開の工夫】 〇スズランテープやビニール袋を使って遊ぶことで,風をより身近に感じ,「風で遊ぶと面白そうだ」と感じられるようにした。 |
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| 児童の反応 | |||||
とても寒い日だったので,体がなかなか動かず,友達とくっつきあって暖まろうとする様子が見られた。
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児童にスズランテープを渡した。一人の児童がそれをズボンに挟むと,ヒラヒラし始めた。それを見た多くの児童が「自分もやってみたい」とおしりに
テープを付けて走り,ヒラヒラさせることを楽しんでいた。 児童にスズランテープを渡した。一人の児童がそれをズボンに挟むと,ヒラヒラし始めた。それを見た多くの児童が「自分もやってみたい」とおしりにテープを付けて走り,ヒラヒラさせることを楽しんでいた。
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ビニール袋を渡すと,スズランテープと結びつけ,凧のようにして遊ぶ姿が見られた。
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| ふりかえり |
「風が冷たい」「耳が痛いくらいに寒い」「風が強くて袋が飛んでいった」など,風に着目した振り返りが出てきた。
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【小単元3「ふゆのあそびをくふうしよう」(1回目)】
| 【学習展開の工夫】 〇前時のふり返りを想起させ,どのように遊んだら風ともっと仲良くなれそうかを考えるようにした。また,「ふゆのおもちゃずかん」やおもちゃの作り方動画を,児童が自由に自分のタブレットで見ることができるようにし,風を使ったおもちゃを作ってみたいという思いを高めるようにした。 |
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| 児童の反応 | |||||
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【おもちゃづくりの様子】
一人で黙々と作ったり,友達と協力しながら作ったりする様子が見られた。また,ロケットの飾りにこだわったり,傘袋
の口を結ぶことに苦戦している様子などが見られた。 【おもちゃづくりの様子】
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【試し遊びをする様子】
自分の作ったおもちゃに十分満足している児童もいたが,作り方や遊び方のコツがつかめず,
思ったとおりに遊べなかった児童もいた。 【試し遊びをする様子】
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| ふりかえり |
「風車の羽は,まっすぐに折ったらあまり回らない。」「傘袋に飾りをつけすぎると重たくなってあまり飛ばない。」「次はもっと成功させたい。」など,うまくいかなかったことに対して,自分なりに原因を見付けようとする姿が見られた。
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【「ふゆのあそびをくふうしよう」(2回目)】
| 【学習展開の工夫】 〇前時のふり返りからもっと工夫したいことを,児童の言葉から引き出した。また前時の学習に満足している児童を「おもちゃづくり名人」として取り上げ,「どうして大成功だと思ったのか」「どんなところがコツなのか」を他の児童に伝えるようにした。 |
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| 児童の反応 | |||||
傘袋ロケットでは「飾りを付けすぎると重たくなって遠くまで飛びにくい」「傘袋をいくつかつなげてみたら面白そう」や,風車では「割り箸をまっすぐ紙コップに刺さないとよく回らない」など,1回目の振り返りを活かしながら,また友達同士でコツを教え合いながら,おもちゃを作る様子が見られた。
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【試し遊びをする様子】 「風ふけ,風ふけ」などと言いながら,風が吹いたタイミングでロケットを飛ばしたり,どの方向に風車を向けたらよく回るかを見付けながら,風車を回すなど,1回目よりも風を活かしながら遊ぼうと工夫する姿が多く見られるようになった。
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| ふりかえり |
「前よりよく飛んだよ」「風が来た方向に風車を向けたらいっぱい回るって気付けてうれしい」「風車の羽は斜めに折るとよく回るようになるよ」等,成功したコツや前回よりもうまくいったところなどが,多く表現されていた。
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【Aさんの様子】
1回目のおもちゃ作りでは「友達と一緒に風車を作りたい」という思いや願いをもって本時の学習を始めた。作った風車を持って,運動場で遊んだ時には,友達と一緒に何度も走りながら,風車を回して遊ぶことを時間いっぱい楽しんだ。楽しそうに風車を回すAさんを見て,周りの児童が「いいな,私もAちゃんみたいな風車を作りたいな。」と言い始めた。この日の振り返りカードには,「はしったらかざぐるまがぐるぐるまわったよ。」と書いている。この日のAさんは,走ることで風車が回るものだと思っており,風と関連付けては考えるところまでは至っていない。
2回目のおもちゃ作りでは,いろいろな友達から「Aちゃん,風車の作り方を教えて」と声をかけられ,友達に作り方を教えてあげながら,自分のおもちゃも作った。外に出て遊び始めると,初めのうちは前の時間と同じように走りながら風車を回すことで,満足しているようだったが,友達の風車が,走らなくても回っているのを見付けた。Aさんは「○○ちゃんの風車はいいな。」とつぶやき,友達の風車が回る様子をしばらく眺めていた。そのうち,友達の風車がよく回っているのを見付けると,隣に行き,同じように風車を風の方向に向けるようになった。何度か繰り返すうちに,Aさんの風車もよく回るようになって,とても喜んだ。「どうして風車がよく回るようになったの」と尋ねると,「こっちに向けたから・・・」と風車が回った方向を指して答えた。「どうしてこの向きだと風車がよく回るんだろうね」とさらに問い返すと,周りの友達が「風車は,風が吹く方に向
けたら回るんだよ。」と発言し,Aさんも「そうそう」と納得した。その後も,一緒に風車を回していた数人で,「今はこっちに向けたらよく回るよ」と教え合いながら,繰り返し遊んだ。この日の振り返りカードには,「かぜがきたほうに(風車を)むけたら,じっとしててもよくまわったよ。」と書いている。
これらのことから,友達と関わりながら遊びを繰り返すことで,風車の回り方を風と関連付けて考えられるようになったことを見取ることができた。
【Aさんの様子】
1回目のおもちゃ作りでは「友達と一緒に風車を作りたい」という思いや願いをもって本時の学習を始めた。作った風車を持って,運動場で遊んだ時には,友達と一緒に何度も走りながら,風車を回して遊ぶことを時間いっぱい楽しんだ。楽しそうに風車を回すAさんを見て,周りの児童が「いいな,私もAちゃんみたいな風車を作りたいな。」と言い始めた。この日の振り返りカードには,「はしったらかざぐるまがぐるぐるまわったよ。」と書いている。この日のAさんは,走ることで風車が回るものだと思っており,風と関連付けては考えるところまでは至っていない。
2回目のおもちゃ作りでは,いろいろな友達から「Aちゃん,風車の作り方を教えて」と声をかけられ,友達に作り方を教えてあげながら,自分のおもちゃも作った。外に出て遊び始めると,初めのうちは前の時間と同じように走りながら風車を回すことで,満足しているようだったが,友達の風車が,走らなくても回っているのを見付けた。Aさんは「○○ちゃんの風車はいいな。」とつぶやき,友達の風車が回る様子をしばらく眺めていた。そのうち,友達の風車がよく回っているのを見付けると,隣に行き,同じように風車を風の方向に向けるようになった。何度か繰り返すうちに,Aさんの風車もよく回るようになって,とても喜んだ。「どうして風車がよく回るようになったの」と尋ねると,「こっちに向けたから・・・」と風車が回った方向を指して答えた。「どうしてこの向きだと風車がよく回るんだろうね」とさらに問い返すと,周りの友達が「風車は,風が吹く方に向けたら回るんだよ。」と発言し,Aさんも「そうそう」と納得した。その後も,一緒に風車を回していた数人で,「今はこっちに向けたらよく回るよ」と教え合いながら,繰り返し遊んだ。この日の振り返りカードには,「かぜがきたほうに(風車を)むけたら,じっとしててもよくまわったよ。」と書いている。
これらのことから,友達と関わりながら遊びを繰り返すことで,風車の回り方を風と関連付けて考えられるようになったことを見取ることができた。
Aさんの振り返りの変化
【Bさんの様子】
| Bさんは,「傘袋ロケットを作りたい。」という思いや願いをもって学習を始めた。できた傘袋ロケットを,作り方動画で紹介されていたような飛ばし方をしてみたが,なかなか思ったようには飛ばなかった。そこでBさんは,「高いところから飛ばしてみたらよいのではないか。」と思いつき,階段の上から飛ばしてみた。だが,遠くには飛ばずに,すぐに下に落ちてしまった。 | |
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次に,「速く走って飛ばしたらいいのではないか。」と思いつき,全力で走った後,傘袋ロケットを投げた。これもなかなか思ったようには飛ばなかったが,何回目かに傘袋ロケットが風に乗ってふわっと浮かんだ。それを見てBさんは,「風と一緒に走ったらいいんだ。」と言った。その後Bさんは,風が吹いたことを感じたら,風が吹いている方向に一緒に走り,傘袋ロケットを飛ばした。何度か繰り返すうちに,走らなくても風が吹く方向に飛ばすとよいことに気付いて,上手に飛ばすことができるようになった。 このようにしてBさんは,傘袋ロケットを「上から投げる」「走って飛ばす」「風の方向に向けて飛ばす」と,条件を変えながら繰り返し遊んでうまく飛ぶ方法を見付け,風を利用して遊ぶおもちゃの楽しさを味わうことができた。 次の時間には,「空気をパンパンに入れた方がいい。」「飾りを付けすぎると重たくなりすぎるけど,もっと大きいロケットが作りたい。」と考え,傘袋を3つつなげ,連結しているところのみに画用紙を貼ったものを作った。前時で,風の方向に向けて飛ばすとよいことを見付けていたBさんは,繰り返し傘袋ロケットを飛ばした。おもちゃを改良したことで,もっと飛ぶようになり,とても喜んだ。友達にも,「今はこっちが風の通り道だよ。」と大きな声で呼びかけ,周りの子も同じ方向に向かって飛ばしていた。このBさんの声かけは,友達からもとても喜ばれた。この日の振り返りには,「傘袋ロケットを飛ばす方向をみんなに教えてあげたら,みんなから『ありがとう』と言ってもらえたのが嬉しかった。」と,友達との関わりについて書かれていた。また,小単元の終末では,傘袋ロケットを改良したことで出てきた疑問や,風の通り道を見付けたおかげで,ロケットがよく飛んだことなどの喜びが書かれるなど,気付きの質が高まった。 以上のことからBさんは,条件を変えながら工夫して遊んだり,風で遊ぶことの面白さや不思議さなどに気付き,すすんで自然と関わろうとしていることを見取ることができた。 |
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Bさんは,「傘袋ロケットを作りたい。」という思いや願いをもって学習を始めた。できた傘袋ロケットを,作り方動画で紹介されていたような飛ばし方をしてみたが,なかなか思ったようには飛ばなかった。そこでBさんは,「高いところから飛ばしてみたらよいのではないか。」と思いつき,階段の上から飛ばしてみた。だが,遠くには飛ばずに,すぐに下に落ちてしまった。
次に,「速く走って飛ばしたらいいのではないか。」と思いつき,全力で走った後,傘袋ロケットを投げた。これもなかなか思ったようには飛ばなかったが,何回目かに傘袋ロケットが風に乗ってふわっと浮かんだ。それを見てBさんは,「風と一緒に走ったらいいんだ。」と言った。その後Bさんは,風が吹いたことを感じたら,風が吹いている方向に一緒に走り,傘袋ロケットを飛ばした。何度か繰り返すうちに,走らなくても風が吹く方向に飛ばすとよいことに気付いて,上手に飛ばすことができるようになった。
このようにしてBさんは,傘袋ロケットを「上から投げる」「走って飛ばす」「風の方向に向けて飛ばす」と,条件を変えながら繰り返し遊んでうまく飛ぶ方法を見付け,風を利用して遊ぶおもちゃの楽しさを味わうことができた。
次の時間には,「空気をパンパンに入れた方がいい。」「飾りを付けすぎると重たくなりすぎるけど,もっと大きいロケットが作りたい。」と考え,傘袋を3つつなげ,連結しているところのみに画用紙を貼ったものを作った。前時で,風の方向に向けて飛ばすとよいことを見付けていたBさんは,繰り返し傘袋ロケットを飛ばした。おもちゃを改良したことで,もっと飛ぶようになり,とても喜んだ。友達にも,「今はこっちが風の通り道だよ。」と大きな声で呼びかけ,周りの子も同じ方向に向かって飛ばしていた。このBさんの声かけは,友達からもとても喜ばれた。この日の振り返りには,「傘袋ロケットを飛ばす方向をみんなに教えてあげたら,みんなから『ありがとう』と言ってもらえたのが嬉しかった。」と,友達との関わりについて書かれていた。また,小単元の終末では,傘袋ロケットを改良したことで出てきた疑問や,風の通り道を見付けたおかげで,ロケットがよく飛んだことなどの喜びが書かれるなど,気付きの質が高まった。
以上のことからBさんは,条件を変えながら工夫して遊んだり,風で遊ぶことの面白さや不思議さなどに気付き,すすんで自然と関わろうとしていることを見取ることができた。
Bさんの振り返りの変化
【成果】
〇児童同士の交流活動を通した気付きの質の高まり
1回目はそれぞれが自分のおもちゃを作り,それぞれが遊んでいる様子が,多く見られていた。教え合う姿もあったが,袋の結び方や作る手順についてがほとんどだった。それが2回目には,「傘袋ロケットは空気をパンパンにする方がいいよ。」や,「風車の羽は,まっすぐ折ったらあまり回らないよ。」など,よりよく遊べるコツに着目した教え合いや,協力しながら遊ぶ姿が増えた。
また,友達との関わりを通して気付きの質も高まった。1回目の振り返りでは,「おもちゃが作れたこと」「おもちゃで遊べたこと」そのものを喜んでいる振り返りが多く見られた。それが2回目には,成功している友達の様子を見たり,友達と関わったりしたことで,気付きにも広がりが見えた。例えば,「飾りをあまりつけなかったから前よりも飛ぶようになった」「風車の羽の折り方を変えるともっと回るようになる」「風車を風の方向に当てる作戦を立てたら成功した」のように,1回だけでは気付かなかったことに気付けるようになっている。これは風を使ったおもちゃの楽しみ方により深く気付いたこともあるが,秋の自然物を使ったおもちゃづくりの学習で,保育園の子に楽しんでもらえるようにと,おもちゃや遊び方を工夫してきた経験も活かされているのではないかと考える。
ふり返りの変化
【課題】
●児童の見取り方
おもちゃの出来栄えやワークシートなど,成果物のみで判断せずに,子どもの活動している姿や発言等をしっかりと見取ることができるようにしたい。
●場の設定
遊ぶ場所が外なので,「遊びながら作り変える」場作りをすることができなかった。つくりながらすぐに試し遊びができるように,活動場所や環境構成を工夫する必要があった。
【引用文献・参考文献】