20年ぶりに会ったおばちゃんに,「おいちゃんは生きてるかい」,と寅さんが聞きます。この不遜な質問に,「まだ元気でピンピンしているよ」と,おばちゃんは答えます。英語版,「まだ元気でピンピンしている」,を思い出しました。
He is still alive and kicking. です。
He's still alive. のみでしたら,「まだ生きている」ことはわかりますが,He is bedridden.(寝たきり)かも知れません。また,He is in a vegetative state. (植物状態)かも知れません。ところが,aliveの後に,kickingがつくと,元気な人間の子,動物の子が,お母さんのそばを走り回り,飛びまわっている情景を,人はいざ知らず,私は想像します。でも,英語人は,kickingの意味など全く考えません。日本語,「ピンピン」は,生きのいい魚が,まな板の上ではねている,そんな情景かもしれませんが,誰もこの句を使う時,魚のことなど考えないのと同じです。
この日英イディオムの共通していることは,「alive・生きている」の後に,動作を表わす言葉が来ることです。kicking ・ピンピンは,どちらも元気な様子を表わすのに妙を得ています。このイディオムは無生物にも使えます。
The PC I bought five years ago is still alive and kicking.
5年前買ったPCいまだに快調です。
旭川に旭橋と言う橋があります。戦車の通行に耐えられる橋として作られました。多くの兵士がこの橋を渡り戦争に行きました。80年前の竣工ですが,いまでも現役で活躍しています。
The bridge, built 80 years ago, is still alive and kicking.
Jokeとして,成立するような気がするのですが,どうでしょう?
I'm still alive but not kicking.